2016年の米大統領選挙の結果が明らかになると、景気への楽観論台頭で株式など金融市場は上昇に向かった。その高まりは2年間続いた。ドナルド・トランプ大統領と共和党が、税制改革や規制緩和、国内エネルギー生産の推進など成長支援策を打ち出してきたからだ。しかし、中間選挙で民主党が下院を支配するようになり、トランプ大統領が再選を目指したキャンペーンを既に始めた今、政治は再びアンチ成長路線に転じようとしている。今後成長が鈍化しても、何ら不思議ではない。日々の論争から距離を置き、米経済政策の方向性を眺めれば、こうした失望すべき全体像が見えてくる。トランプ政権の最初の2年間は、オバマ前政権下での経済的停滞を終わらせることに絶え間なく精力が注がれた。ほとんどすべての政策が成長という観点から検討された。