フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は5日、ルノーとのつかの間の婚約を解消した。フランス政府の祝福が得られなかったからだ。このエピソードは、なぜ欧州経済がガス欠状態になっているかを物語っている。各国政府が自国の雇用と産業を専断的に守ろうとすることで、欧州企業の世界的な競争力が低下しているのだ。  ルノーは5日、先週発表されたFCAとの経営統合案を検討する取締役会を開催した。統合案は世界第3位の自動車メーカーを誕生させる狙いがあった。FCAとルノーの幹部は、統合によるサプライチェーンでのシナジー効果とスケールメリットを喧伝していた。