ウォール街は株、商品、住宅ローンにひもづけられた一連のデリバティブ(金融派生商品)をひねり出してきた。そして現在はビットコインにその触手を伸ばし始めている。最近、複数の暗号通貨企業がビットコイン価格と連動する仕組み商品の販売を開始した。こうした商品からの支払額は複雑な数式により決められている。市場規模はまだ小さく、販売会社は小規模な投資家向けの商品ではないという。ただ、ビットコイン価格が1万ドルを再び突破し、デジタル通貨への投資家の関心が再燃していることもあり、ベテランの市場関係者からは注意を呼び掛ける声も聞かれている。米証券取引委員会(SEC)で以前にエコノミストを務めていたクレイグ・マッキャン氏は、ビットコインは規制の届かない取引所で売買されている値動きの激しい、投機的な資産であることから、ビットコインを複雑な商品の構築に利用するのはよい考えではないと警鐘を鳴らした。