石油市場に関しては、ロシアはサウジアラビアが連れてくる同伴者にすぎない。石油輸出国機構(OPEC)の加盟14カ国にロシアをはじめとする非加盟の10カ国を加えた「OPECプラス」は、減産合意を2020年3月まで延長した。価格調整に努めるこの組織は一見拡大しているが、意思決定の中枢は縮小している。発言力があるのはサウジとロシアだけだ。OPECは1960年にイラン、イラク、クウェート、サウジ、ベネズエラが設立した。加盟国を増やし、欧米メジャーの油田を加盟国が支配下に収めるにつれ影響力を拡大した。米エネルギー情報局(EIA)の推計によると、1973年に米国のガソリンスタンドに車の列ができる頃には、ペルシャ湾岸の7カ国が世界石油生産の約40%を担っていた。