倒産危険度ランキング#3

プロスペクト:容易に切り離せない爆弾

 「前社長の経営は功罪の両面があった」

 プロスペクトの田端正人社長はこう話すが、業績の落ち込みを見る限り、罪の方が明らかに大きい。悪化の原因は、一にも二にも前社長の肝いりだったアセットマネジメント事業だからだ。

 純資産増加への寄与が“功”だと田端社長は反論するが、この事業の不振で赤字を計上した“罪”は大きい。基幹事業のマンション分譲、再生可能エネルギー、注文住宅では利益を残せているからだ。

 かつて1000億円を超える株式運用で一時大きくもうけたが、反動はあまりにも大きかった。しかも、まだ69億円の有価証券という爆弾を抱えている。

 その中身はマーケットで売れる見込みがろくにない“ぼろ株”。仮に評価減で損失が出ても「キャッシュアウトはない」(田端社長)と強気だが、最大の不安要素なのは間違いない。

  本業のマンション分譲は建設コスト上昇で利益を増やすのは困難。再エネも太陽光発電は売電価格が下がり、かつてのうまみはもはやない。注文住宅が手堅いとはいえ、急に収益が倍増するものでもない。同社はいばらの道を歩んでいる。