アマゾン、マイクロソフト、グーグル。米ITの巨人たちが激しく火花を散らすのがクラウドビジネスだ。3強の争いでクラウドは8兆円産業へと急成長。市場の開拓者であるアマゾンは、豊富な実績を武器に日本の自動車業界での存在感を高めようとしている。(ダイヤモンド編集部 大矢博之)
自動運転の学習時間がトヨタの悩み
「私の願いは交通事故死ゼロ。ヒトとクルマが協力し、もしもの事故を防ぐ自動運転を実現したい」――。
6月14日、千葉市の幕張メッセの講演会場は、立ち見が出るほどの熱気に包まれていた。この日開催されたのは、米アマゾンのクラウドサービス「AWS」の開発者などが集うイベント「AWSサミット東京」。その会場の一角で、ベールに包まれていたトヨタ自動車の自動運転プロジェクトの一端が披露されたからだ。
登壇したのは、トヨタの自動運転のソフトウエア開発を手掛けるTRI-AD(トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント)の小出粋玄エンジニアである。
TRI-ADはトヨタとデンソー、アイシン精機の3社が共同出資し、2018年3月に設立。3000億円規模の開発投資を計画しており、まさにトヨタの自動運転技術の最前線の開発拠点だ。