6月の米雇用統計では就業者の伸びが予想を上回った。これは米経済が予想以上に鈍化しかねないという連邦準備制度理事会(FRB)当局者の懸念を和らげる見込みだが、今月の連邦公開市場委員会(FOMC)では依然として利下げが実施される可能性が残されている。当局者らは6月、景気見通しの悪化を食い止めるためにフェデラルファンド(FF)金利を少なくとも25ベーシスポイント(bp)引き下げるためのハードルを低く設定したように見受けられた。だが、雇用の伸びが堅調だったことで、一部の市場参加者が想定していた50bpの利下げは妥当性が薄れたようだ。重要なのは、当局者が先月、利下げの理由となりうる経済リスクに言及した際、労働市場の健全性については全く触れられなかったことだ。そのため、今回のデータが、利下げを正当化する他のリスクに対する当局者の見方を大きく変えることになるかどうかははっきりしない。
力強い米雇用統計、利下げ見送りの根拠にはならず
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