アイスランド国債が買われている。世界的に債券価格が上昇(利回りは下落)しているため、多くの投資家が高利回りを求めて、従来の投資先以外に向かっている。アイスランドの10年債利回りは現在4%を下回る水準で、昨年11月の6%超からは大幅に低下した。景気減速に金融緩和で対応する可能性を世界の中央銀行が示唆した結果、世界的に利回りが低下しているからだ。ドイツの10年債利回りがマイナス圏で過去最低水準を記録する一方で、利回りが高く、比較的安定した国の債券の魅力が増している。その一つがアイスランドで、利回りは先進国としては最高水準にある。人口約35万人のアイスランドにとってこれは大きな変化だ。同国の3大銀行はかつて海外で投機的な融資を行うため外国から多額の預金を受け入れていたが、金融危機で破綻した。株式・債券市場が暴落する中、同国政府は資本規制に動いた。