香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は9日の記者会見で、犯罪容疑者の中国本土移送を可能にする「逃亡犯条例」改正案は「死んだ」と述べた。ただデモ隊が要求している「完全な撤回」について明言は避けた。林鄭長官はここ1カ月で少なくとも2回、改正案の審議を停止すると述べていた。9日の発言はこれまでで最も踏み込んだ内容となった。同長官は記者会見で「違う言葉を使っているからといって、市民が違う意味で捉えないことを願っている」と語った。また逃亡犯条例の改正に向けた手続きについて、政府が「完全に失敗」したとも述べた。ただ改定案の正式撤回に消極的な姿勢を示したため、デモ隊はまだ納得しないとみられる。改正案に反対する民主派団体「民間人権陣線」は、林鄭長官の9日の発言について協議していると明らかにした。ソーシャルメディア(SNS)上では、依然として改正案が復活する可能性があるとの見方も広がっている。