日本が韓国に対するフッ化ポリイミドとエッチングガス(フッ化水素)、レジストの3品目の輸出について、輸出管理を包括的な許可から個別審査に切り替えると発表した。これまで、韓国に輸出する企業に3年間有効な許可を優遇的に与えて個別申請を省略していたが、7月4日からは個別の取引ごとに審査し輸出の可否を判断することになった。
これに対して韓国は、洪楠基・経済副首相兼企画財政相が「明白な経済報復であり、相応措置を必ず取る」と発言するなど猛反発している。韓国は、世界貿易機関(WTO)への提訴を検討すると明言した。
今回の措置について、世耕弘成・経済産業相もツイッターで、韓国人元徴用工への損害賠償問題について、6月末の主要20ヵ国・地域(G20)首脳会議までに「満足する解決策」が示されなかったことを挙げ、「関係省庁で相談した結果、信頼関係が著しく損なわれたといわざるを得ない」と発言している。
韓国側が主張する通り、今回の措置は「元徴用工問題」が発端となっていることは間違いない。だが、菅義偉官房長官は、「元徴用工問題に対する報復措置ではない」と明言している。実際、今回の措置は、経済報復と呼ぶには当たらない、極めて抑制的なものだといえる(細川昌彦「誤解だらけの韓国に対する輸出規制発動」日経ビジネスオンライン)。