今年の参院選は、12年ごとに巡ってくる「亥年選挙」。統一地方選と参院選が同じ年に行われるため、各政党をはじめ有権者にも「選挙疲れ」が生じる。参院選史上最低の投票率を記録した1995年も亥年だった。44.45%という数字が、選挙への関心がいかに低かったかを物語る。
今回も「老後資金2000万円」に端を発した年金問題でも与野党が火花を散らすことなく、極めて低調な選挙戦に終始した。
この結果、首相の安倍晋三は歴代首相の誰も成し得なかった国政選挙6連勝を手に次のステージに向かうことになる。だが、新たなステージは登山に例えるなら頂上を目指す挑戦ではない。どうすれば無事に下山できるかの、いわば“出口戦略”が始まる。安倍の自民党総裁としての残り任期は2021年9月までとなる。「終わり良ければ全て良し」──。その中には自らの長期政権の後釜に誰を据えるかという難易度の高い後継者選びも含まれる。
もちろん「総裁4選」の可能性は残るが、その可能性よりも「辞め方」に焦点が移っている。そこに向かう第1ステップになるのが内閣改造と自民党役員人事だ。6年前の参院選後に安倍は人事を見送り、全員続投とした。その前年12年の政権復帰から約半年しかたっていなかったからだ。