親が死んだ後の日常を、想像してみたことはありますか? 『週刊ダイヤモンド』8月10・17日合併特大号の第1特集は、「完全保存版 家族を困らせない 相続」です。相続にまつわる話は難解でよく分からない。何から始めればいいのか検討が付かない。親の死後のことなんて、家族で話しづらい。そうした印象を持っている人も多いのではないでしょうか。本特集では、そのような印象を徹底的に払拭するための設計がなされています。
改正相続法の狙いは何か──
今の相続にまつわる問題が浮き彫りに

「もし自分が死んだら、なけなしの財産を巡って争いが起きるのではないかと不安でした。でも、これからは少し安心できそうです」
そう安堵の表情を浮かべる都内の会社員、高橋邦彦さん(仮名・59歳)は、30代のときに離婚を経験、ほどなく今の妻(後妻)と再婚した。後妻とは子宝に恵まれなかったものの、自宅マンションで夫婦仲良く二人暮らしを続けている。
そんな日々の中、頭をよぎるのは、後妻よりも先に寿命が尽きるだろう自分の死後のトラブルだ。問題は、先妻との間に子供が1人いること。先妻とはけんかの末に離婚し、養育費は最後まで払い続けたものの、子供と再会することはなかったという。
「もちろん子供のことを思わない日はありません。ですが、子供の方は自分に良い感情は抱いていないだろうし、自宅をはじめとする財産は今の妻と築いたもの。自分の死後、今の妻と先妻との子供の間で争いが起き、妻の老後の生活費や家を失うようなことになれば、死んでも死に切れない」。
悩める高橋さんに光明をもたらしたのが、2018年7月に、およそ40年ぶりに大改正された相続法だ。