米国ではこのところ、ユニコーンに関する良いニュースはあまりない。中国でも、魔法の世界に住むこの生物をめぐる状況は、米国とあまり変わらない。ウィーワークの惨状や、上場を果たしたウーバーとリフトの株価急落を受け、投資家らは高額評価を受けているユニコーン企業の本当の価値について疑問を持ち始めている。一方の中国では、デロイトと調査会社チャイナ・ベンチャーの報告によると評価額10億ドル以上のいわゆるユニコーンの数が米国をわずかに上回った。しかし、だからといって中国でユニコーンをめぐる状況が安泰という訳ではない。資金調達は厳しくなっており、新規株式公開(IPO)など出口戦略の機会も失われつつある。英調査会社プレキンによると、今年1~9月にベンチャーキャピタル(VC)が中国の新興企業に投資した件数は2209件と、前年のほぼ半分になった。投資額は340億ドルと、前年の920億ドルから約3分の1に減った。これまで成長ステージ後期の新興企業に多くの投資を行ってきたテンセントやアリババなどの大企業でさえも、慎重姿勢を強めている。これは、新興企業がより早期に持続可能なビジネスモデルを確立し始めなくてはならないことを意味する。
中国ユニコーン企業、「生息地」に冬到来
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