中国共産党の支配に香港市民が反対していることは、11月24日の区議会(地方議会)選挙で疑いようなく示された。全479議席のうち452議席を香港市民の直接選挙で決める同選挙の投票率は、過去最高を記録した。新たに選出された議員の任期が始まる1月には、民主派が385対59の圧倒的多数を占める(その他8議席)。前回選挙は292対120で親中派が優位だったがこれを一気に逆転した。難しいのは、区議会議員の力が限られていることだ。意思決定の権限などは中国の影響が大きい立法会(議会)の承認が必要となる。区議会議員を12年を務めた親中派を破って当選したレティシア・ウォン氏(27)は、支持者を失望させるのではないかと心配し、「非常にストレスを感じている」と話す。支持者からの信頼は大きいようだ。投票から1週間半が過ぎた頃、ウォン氏が筆者とコーヒーを飲みながら話していると、通りかかった4人がこちらに手を振ったり、誇らしげに親指を立てたりした。同氏の姿に見とれたり、笑いかけたりする人はさらに多かった。