パナソニック 老衰危機_#05_働かないおじさんPhoto:DavidBecker/gettyimages

大企業病がまん延するパナソニック。ついに、津賀一宏社長は大胆な人事改革に着手し、組織に刺激を与えようとしている。ダイヤモンド編集部は、パナソニックの「管理職の賃金テーブル」が記された内部資料を入手。特集「パナソニック老衰危機」(全10回)の#05では、それを基に、硬直化する人事制度の問題を指摘する。(ダイヤモンド編集部副編集長 浅島亮子)

内部資料で分かった
パナ幹部「高給取り」の実態

 ここに、パナソニックの内部資料がある。「管理職の賃金テーブル」が記されたものだ。

 パナソニック幹部のヒエラルキーは、序列の上位から順に、取締役(社内)7人、執行役員10人、新たに設けられた「事業執行層」「管理職」という階層で形成されている。今回、ダイヤモンド編集部が入手した資料は、そのうち管理職の待遇についてまとめられたものだ。それにより、パナソニック幹部たちの恵まれた実態が浮かび上がった。

 パナソニックの管理職(専任職を含む)には、役割の大きさに応じて決まる「役割等級」が8段階あり、経営層(P1~P3)、基幹職(P4~P8)という内訳になっている。かなりざっくり言えば、事業場長クラスの役割等級がP1~P3、BU(ビジネスユニット)長・部長のそれがP3~P6、課長のそれがP6~P8といったイメージだ。

 全ての管理職において、月額で給与が固定される「完全月給制」が採用されており、同じ役割等級なら働いても働かなくても給与にあまり差がつかない賃金設計になっているようだ。