パナソニック 老衰危機_#08_企業スポーツ死守
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手元資金が潤沢な時代はプロ野球球団の買収すら検討したが、今や金欠で成長戦略を描き切れず、業績も芳しくない。特集「パナソニック老衰危機」(全10回)の#08では、そんなパナソニックが七つ(プロサッカーチームへの出資を含めれば八つ)もの企業スポーツを抱えている背景を分析した。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)

天敵のダイエーにさらわれた
「プロ野球球団」買収の夢

 かつて野村克也選手、門田博光選手などが在籍した在阪プロ野球球団「南海ホークス」の身売り話が浮上した1980年代後半、松下電器産業(現在のパナソニック)が球団買収を検討していたことがダイヤモンド編集部の取材で分かった。当時を知る松下電器元幹部が証言した。

 パ・リーグの古豪、南海ホークスは80年代、Bクラス(6球団中4位以下)入りが続いて人気が低迷。球団経営が厳しくなっていた。

 前出の元幹部によると、南海ホークスの身売り話が浮上したのを受け、松下電器の上層部は一時買収を検討した。だが、「プロチームは持つべきではない。敵(松下電器のアンチファン)をつくってしまう」との買収反対派の意見が勝り、“松下電器ホークス”誕生は幻に終わった。一方で当時の松下電器は強豪の企業スポーツチーム(野球、バレーボールなど)を保有していた。つまり当時の松下電器は、「プロはダメ。アマチュアならOK」と線引きしたのだ。

 パナソニック広報担当者は「昔のことで分からない。少なくとも私は聞いたことがない」と困惑するが、松下電器は大阪に本社があり、同じく大阪が本拠地だった南海ホークスと相性がいい。加えて当時の松下電器は「松下銀行」といわれるほど潤沢な手元資金を抱えていた。背景からして信ぴょう性が高い。