熱狂!ラグビー ビジネス・人脈・W杯第7回Photo by Kuninobu Akutsu

特集「熱狂!ラグビー ビジネス・人脈・W杯」(全10回)の第7回は、「大西鐵之祐の最後の愛弟子」で、早稲田大学時代には国立競技場を沸かした佐々木卓氏(TBSホールディングス代表取締役社長)を直撃。同社は池井戸潤氏のベストセラーである『ノーサイド・ゲーム』も映像化。「ジャスティスよりフェアネス」など、大西先生の教えはテレビ局の経営にも生かされている。(「週刊ダイヤモンド」2019年8月31日号を基に再編集。肩書や数字などは当時のもの)

佐々木社長ささき・たかし/早稲田大学高等学院で大西鐡之祐監督の指導を受けて花園に初出場。早稲田大学でもスクラムハーフとして活躍。番狂わせを起こした大学4年生時の早明戦は、歴代でも屈指の名勝負といわれている。報道局北京支局長、「筑紫哲也ニュース23」プロデューサー、編成局長などを経て18年から現職 Photo by K.A.

――テレビドラマ「ノーサイド・ゲーム」が話題になりましたが、佐々木社長は早稲田大学ラグビー部OBで、福澤克雄監督は慶應義塾大学ラグビー部OB。早慶タッグでラグビーを盛り上げています。

 福澤監督は天才的なクリエーターで、作るドラマが全部面白い。池井戸先生の原作が面白くて、ラグビーの感動を伝えるシーンは現実以上にリアリティーがあります。ああいう体がぶつかり合うような高度に興奮した独特の状態は、ラグビー経験者もうまく口では語れません。僕らが言い切れなかった真実までを語ってくださっています。来年の4月から「半沢直樹」の続編の放映も決まりましたので、こちらも楽しみにしています。

――佐々木社長が4年生時の早明戦は、1964年の東京オリンピックの開会式、閉会式に次ぐ入場者数だったといわれています。

 翌年から消防法が改正され、立ち見が禁止になり、抜かれなかったと聞いています。早稲田が明治というライバルに負け続けている中、ラグビー界の重鎮である大西鐡之祐さんが十数年ぶりに監督に就任。早稲田が圧倒的に弱いという下馬評の中で勝ったので、盛り上がったのだと思います。

ダイビングパスをする大学4年生時の佐々木社長。本城和彦氏との黄金ハーフ団で、大学ラグビーをけん引した

――当時、早稲田でハーフ団を組まれた本城和彦氏(元ラグビー日本代表、現男女セブンズ日本代表強化委員長)は、W杯を放送している日本テレビで活躍しています。

 こんなときに、偶然ですよね。彼は僕の一つ後輩ですが、天才スタンドオフだったので、彼の言う通りにやっていました。