世界の外貨準備に占める日本円の比率は昨年、何十年ぶりかの高水準に達した。矛盾するようだが、これは世界がドルを求めてやまない証拠かもしれない。国際通貨基金(IMF)が年末に公表したデータによると、2019年7-9月期の世界の外貨準備総額のうち円建て資産は5.6%と、1990年代の終盤以来の高さとなった。円の比率が高まった一因は、投資家が日本にほれ込んだからではない。実際には、円建て資産をドルに換えたい投資家のマネーが控えているのだ。複数通貨間の変動金利を交換する「クロスカレンシー・ベーシススワップ」によって、日本国債を保有する投資家は円建ての金利や元本と引き換えに、取引相手が得るドル建ての金利と元本を受け取ることができる。
拡大する外貨準備の円資産、その裏に潜むドル需要
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