「善い行いは必ず罰を受ける」という言葉は真実かもしれない。しかし、自らの善行を自ら進んで罰することができるのは、相変わらず活動的なドナルド・トランプ米大統領だけだろう。ここでの善行とは、イランのガセム・ソレイマニ氏の殺害を命じたことだ。同氏はイラン革命防衛隊の精鋭組織「コッズ部隊」の司令官として、1つの戦略の遂行に年月を費やしてきた。人々を殺害することで1979年のイラン革命を輸出するという戦略だ。犠牲者の中には米国人、イラク人、イラン人、欧州人、シリア人、その他中東全域の人々が含まれている。ソレイマニ氏は自身の乗った車両がドローンによる空爆を受ける前、さらに多くの殺害を計画していた。ソレイマニ氏殺害後の数日間、トランプ大統領はいい時間を過ごした。空爆に関する声明は率直かつ抑制されていた。批判されても沈黙を保ち、行動で全てを示した。とはいえ、これは国益に絡む大統領の重大な決断だった。全国の支持者らは当然、次に何が起きるのかと待ち構えていた。次に起きたことは、なじみ深いものだった。批判勢力に対するトランプ流の反撃だ。矛先はイラク国内に向けられた。
【社説】イラン司令官殺害後のトランプ氏
抑止的攻撃がもたらす結果に対処できるか
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