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消費増税を契機に政府が旗を振るキャッシュレス決済。外食チェーンでも現金が使えない「完全キャッシュレス店舗」の導入事例が相次いでいる。ただ、人件費削減などのメリットがある一方で、店舗によって売り上げの明暗は分かれている。完全キャッシュレス店舗を成功に導くポイントは何か。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

現金不要でレジ締め作業なし
人件費は削減できたが…

「申し訳ございません。当店で現金は扱っておりません」

 店員がこう告げると、女性客は慌てて財布からクレジットカードを取り出した――。

上島珈琲店大手町フィナンシャルシティ店とPRONTO二重橋スクエア店上島珈琲店大手町フィナンシャルシティ店(左)とPRONTO二重橋スクエア店(右)。共に完全キャッシュレス店舗だが、売り上げは明暗が分かれた Photo by Koyo Yamamoto

 10月から始まった消費増税を契機に、政府はポイント還元や各種補助金などあの手この手で、キャッシュレス化を推進している。

 この流れに乗るべく、外食産業でも完全キャッシュレス化の店舗が登場した。サントリーグループのプロントコーポレーションが運営するPRONTO二重橋スクエア店と、UCC上島珈琲が運営する上島珈琲店大手町フィナンシャルシティ店だ 。いずれの店舗も、東京駅から徒歩圏内という好立地だ。