運動神経以外の能力も引き出す「体操」のヒミツとは

 体操はたんに子どもたちの体力や運動能力を伸ばすだけではないと思ったのは、体操教室で指導している先生や親御さんに聞いた、子どもたちの変化です。「のんびりとした子だったのが、先生が言ったことをしっかり覚えて、周りにわからない子がいたら教えてあげるようになりました!」「鉄棒が怖い、できないと嫌がっていた子でしたが、段階を踏んで少しずつできることを増やしていくことで、鉄棒が好きになり練習にも積極的に取り組むようになりました」など、運動能力以外の変化をよく耳にしたからです。実際に、「バランストレーニングによって読解力が高められる」というドイツの研究結果や、「空間認知力を鍛えると、計算力(算数)が向上する」というアメリカの研究事例が報告されています。

 そこで、子どもの能力を引き上げるために考案されたのが「脳育体操」です。これは、福岡大学でスポーツ科学を研究している泉原嘉郎先生の監修の元、脳神経のルートを最適に鍛えるコーディネーショントレーニングの原理が盛り込まれており、具体的には動作と判断が必要な動きを行います。これによって素早い反応や的確な判断ができるようになるといわれています。

 また、泉原嘉郎先生の研究では「コーディネーション運動によって、子どもたちのストレスが軽減され、メンタルスキルを高める」という結果がでています。体操のように全身を複雑に使う動きは脳の発育を促すのです。

「脳育体操」では、

(1)認知能力(記憶力・集中力・判断力・論理力・理解力など)
(2)非認知能力(自信、自己肯定感、自制心、柔軟性、想像力など)

 という、これからの時代を生き抜いていくために必要な力が伸ばせるような動きを取り入れました。

「脳育体操」は6畳ほどの広さがあれば十分ですので、家の中でもすることができます。しかも用具も要らないので、それだけでも気軽にはじめやすいものですが、もうひとつ、室内でできるので「天候に左右されず安全」というメリットもあります。