店のコンセプトから料理の1皿に至るまで、外食産業の経営者は消費者の心をつかむスペシャリストだ。個性派ぞろいの「外食王」たちは何を考えているのか。連載『外食王の野望』で取り上げる外食トップのインタビューを通じ、そのノウハウをおいしくいただこう。今回は富士そばを運営するダイタンホールディングスの丹有樹社長。未上場だからこそ実現できる「非効率的な経営」に強さがあると語る、その真意に迫りました。(聞き手/ダイヤモンド編集部 山本興陽)
富士そばは「不動産業」
迷うような物件には出店しない
──そばだけでなくラーメン店も増え、麺類の競争が激化しています。どう差別化しますか?
当社のお客さまは本当に忙しい中で昼食を取っていて、かつ価格に対しても敏感です。一方で、しっかりとした商品を作ると、価格が高くても食べていただけます。
例えば、シンガポールの肉骨茶(バクテー)スープをアレンジした「肉骨茶そば」は590円ですが人気を集めています。また以前、赤坂見附のお店だけですが、上かつ丼セットを990円で販売した際も好評でした。