外食王の野望Photo by Koyo Yamamoto

店のコンセプトから料理の一皿に至るまで、外食産業の経営者は消費者の心をつかむスペシャリストだ。個性派ぞろいの「外食王」たちは何を考えているのか。連載『外食王の野望』で取り上げる外食トップのインタビューを通じ、そのノウハウをおいしく頂こう。今回は丸亀製麺を運営するトリドールホールディングスの粟田貴也社長。うどんを店舗で小麦粉から手作りという高コストオペレーションにこだわり続ける真意に迫った。(聞き手/ダイヤモンド編集部 山本興陽)

「USJ再建」のマーケッターに学び
「手打ち」を訴求にテレビCMを改革

――2019年3月期は増収減益でセルフうどんの「丸亀製麺」も苦戦していましたが、今期は持ち直しています。

 19年1月からテレビCMを見直しました。それまでは、元禄時代をイメージしたセットと衣装で、フェア用の限定メニューを訴求していました。

 しかし、反応していたのは既存のヘビーユーザーだけで、新規客層への広がりはなかった。丸亀製麺では店舗で製麺していますので、手打ち、手作り、出来たてを訴求するベーシックな内容に改めることにしました。