外食王の野望
Photo by Rumi Soma

店のコンセプトから料理の一皿に至るまで、外食産業の経営者は消費者の心をつかむスペシャリストだ。個性派ぞろいの「外食王」たちは何を考えているのか。連載『外食王の野望』で取り上げる外食トップのインタビューを通じ、そのノウハウをおいしくいただこう。今回はデニーズを運営するセブン&アイ・フードシステムズの小松雅美社長。セントラルキッチンを持たないデニーズの商品開発には、セブン-イレブンのノウハウが生かされているという。その秘密に迫った。(聞き手/ダイヤモンド編集部 山本興陽)

自宅でテレビを見るイベント時が弱点
ラグビーW杯では大きな影響を受けた

――現状の課題をどう捉えていますか。

 われわれは郊外を主力とするファミリーレストラン。それ故に、イベント時にはものすごく弱いという弱点があります。大きなイベントが開催されると、家族連れはリアルタイムに自宅でテレビを視聴し、外食を控えるようになります。実際に、昨年のラグビーW杯では大きな影響を受けました。

 もう一つは季節的なイベント。ホームパーティーの需要が高まり、ハロウィーンや節分の際も非常に厳しい。こうしたイベントが週末と重なると、実は業績に大きな影響を及ぼすのです。

――調理や食材調達への考え方は。

 外食企業の多くは、(食材を加工する工場の)セントラルキッチンを持っていますが、われわれは、一切持っていません。商品ごとに取引先メーカーと細かな交渉を行っています。

――取引先の食品メーカーの工場のラインでデニーズの商品を製造すると聞きました。

 そうです。セントラルキッチンを持つことは、メリットもあれば、デメリットもある。デメリットとしては、工場は生産性が最優先のため、そこに引きずられてしまうことです。

 一方、セントラルキッチンを持たず、取引先のメーカーに製造してもらえば、われわれは工場の生産性を考えなくて済む。日頃から、新商品の開発だけではなく、定番商品の見直しにも取り組んでいます。スピードが求められる作業で、ここに注力できるのです。