店のコンセプトから料理の1皿に至るまで、外食産業の経営者は消費者の心をつかむスペシャリストだ。個性派ぞろいの「外食王」たちは何を考えているのか。連載『外食王の野望』で取り上げる外食トップのインタビューを通じ、そのノウハウをおいしくいただこう。今回は日高屋を運営するハイデイ日高の高橋均社長。サラリーマンの「ちょい飲み」需要が減少し、厳しい状況が続く日高屋の打開策や、他業態の「ユニクロ」を参考にしている理由に迫った。(聞き手/ダイヤモンド編集部 山本興陽)
高収益の「仕組みづくり」追求
手作りは店長・社員にしわ寄せがいく
――直近10年間の営業利益率の平均は11.7%で、同業他社を大きく上回ります。高収益体制の秘訣を教えてください。
企業としての「仕組みづくり」を追求したことでしょう。
外食業界には手作りを訴求するチェーンもあります。手作りという言葉の響きは良いでしょう。ですが、この人手不足の中、素早く料理を提供することは難しい。日々の業務に追われ、社員教育も難しいことが想定されます。もしも手作りを追求し続けた場合、店長や社員にしわ寄せがいってしまうことが、目に見えています。
われわれは上場している以上、しっかりと店舗を運営し、株主に還元していく義務があります。投資家の方々は、大切な資金をわれわれに投資しているのです。利益を出し続けていかなければなりません。