串カツ田中ホールディングス代表取締役社長貫啓二氏Photo by Kazutoshi Sumitomo

店のコンセプトから料理の1皿に至るまで、外食産業の経営者は消費者の心をつかむスペシャリストだ。個性派ぞろいの「外食王」たちは何を考えているのか。連載『外食王の野望』で取り上げる外食トップのインタビューを通じ、そのノウハウをおいしくいただこう。今回は串カツ田中ホールディングスの貫啓二社長。2018年6月にいち早く全面禁煙を決断した舞台裏を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 山本興陽)

「子供が一番大事な客」という長期戦略
大人になって再び来店することを狙う

──4月から改正健康増進法が全面施行され、飲食店は原則、全面禁煙が義務化されます。串カツ田中は2018年6月から禁煙にしました。いち早く取り組んだ理由は。

 創業初期に比べると、年々ファミリー層の客が増えています。われわれのメインターゲットは20代から40代でしたが、子供が串カツ田中に行きやすい環境をつくろうと。

 ファストフード店には、親と子供が一緒に行きますよね。でも、居酒屋に子供を連れていくケースはあまりない。そういったことをなくしたかったんです。