2018年11月のカルロス・ゴーン被告の逮捕以降、妻キャロル氏は想像もしていなかった戦いを強いられることになった。夫が経営していた日産自動車、そして日本の司法制度に対する戦いだ。夫の独房を訪れてミカンを届けたり、日本の拘置所の厳しすぎる環境を外部に伝えたりしたのは、キャロル氏(53)だった。キャロル氏はドナルド・トランプ米大統領からエマニュエル・マクロン仏大統領まで、世界の首脳に夫の釈放を求めた。ゴーン被告が大胆不敵の方法で日本を脱出すると、ベイルートで夫の到着を待っていたのもキャロル氏だ。夫との接触を禁止する日本の裁判所命令に背いての出迎えだった。今回の逮捕劇を通じて、キャロル氏は日本の司法制度について、夫を非難する(そしてゴーン夫妻を引き裂く)ことに余念がないとの見方を一貫して強調している。ゴーン被告(65)は報酬の過少申告や日産資金の不正流用の罪に問われている。ゴーン被告本人は疑惑を否定している。