トランプ大統領弾劾裁判でジョン・ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)による証言を巡り、議会とホワイトハウスが前例のない対立を繰り広げる可能性が生じている。弾劾裁判で政府高官による証言を阻止できるかについては、参考となる判例がほとんどない。ボルトン氏は弾劾裁判で審議されている主要な問題について著書を執筆したことが明らかになり、その原稿もすでに出回っている。これを受け、上院が同氏に証言を求めるかが高い注目を集めている。一方でホワイトハウス側はボルトン氏が証言する場合、その一部内容には守秘義務が適用されるとし、大統領特権を発動して阻止すると構えを見せている。議会とホワイトハウスが証言や書類提出を巡って対立したことはこれまでもあるが、通常は交渉や双方による譲歩を通して解決されてきた。だが専門家らによれば、ボルトン氏の証言を巡るような全面的な対立は、過去に起きたことがない。また裁判所は弾劾裁判を巡る工程は「政治的な問題」だとして、司法による介入ではなく立法府と行政府の間で解消するべきだとこれまでに示してきている。
米弾劾裁判、ボルトン氏証言巡り議会と政権が対立
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