米連邦準備制度理事会(FRB)は、次のリセッション(景気後退)に対する緊急対策の一環として、ある刺激策を検討している。米国が前回これを使ったのは第2次世界大戦中から戦後にかけてだ。FRBは1942~51年に米国債(最初は短期債)利回りに上限を設定した。目的は戦費と復興資金の調達だ。もっと最近では日銀が「イールドカーブ・コントロール」(長短金利操作)を導入した。これは価格がどうであれ10年債を購入すると約束し、10年債の利回りをゼロに維持するものだ。意見が分かれているのは、既に短期金利が低い時に低迷していく経済をどう管理すべきかだ。FRBは過去3回の景気低迷で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を約500ベーシスポイント引き下げた。現在の目標は1.5~1.75%のため、景気対策のために引き下げる余地は少ない。28~29日の連邦公開市場委員会(FOMC)では据え置きとなりそうだ。