パナソニックの津賀一宏社長は時に批判されながらも人事で“ショック療法”を施し、経営のかじ取りを行ってきた。昨秋には増え過ぎた執行役員を大幅に減らす人事を強行。就任8年目の津賀社長の留任観測が高まる中、この2月にも発表される役員人事の行方が最大の関心事となっている。特集「パナソニック 続・老衰危機」(全4回)の#03では、パナソニックの上層部人事と社内カンパニーの序列を徹底分析した。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)
最高のダイヤ=テレビ事業部?
現経営陣で際立つ旧AVC社出身者
パナソニックは例年、2月末に大規模な幹部人事を発表する。2019年は、社運を懸けて新設した社内カンパニー、中国・北東アジア社(CNA社)の社長にアプライアンス社(AP社)の本間哲朗社長がスライドし、また創業家の松下正幸・パナソニック副会長の退任が発表された。
近年の関心事は、就任8年目と長期政権になっている津賀一宏・パナソニック社長(63歳)が交代するかどうかだ。19年末のダイヤモンド編集部の取材に対し、津賀社長は「今の状況で経営を投げ出せない」と説明しており、どうも今年も交代発表の公算は小さそうだ。
故に社内外の注目は、昨秋に新しく定義された、執行役員未満の「事業執行層」(約140人)の取り扱いに移っている。順を追って、パナソニックの人事戦略を見ていこう。