中国の投資家は昨年、米商業用不動産を大幅に売り越した。それ以外の海外投資家も米不動産市場への興味を失い始めている。海外投資家は2019年、12年以降で初めて米商業用不動産を売り越した。これは、すでに減速の兆しがうかがえる同市場には新たな逆風となる。調査会社リアル・キャピタル・アナリティクスによると、中国の投資家は19年、米国のオフィスビルやショッピングセンター、ホテルなどを200億ドル(約2兆1800億円)売り越し、国別では断トツで最大の売り手となった。中国の保険会社などの機関投資家は、中国政府が資金の本国への還流圧力を強める中で、ここ数年活発だった米不動産購入の動きを逆転させている。ただ昨年は、日本、カナダ、英国など諸外国も積極的な売却に動き、不動産市場からの脱却を図っている。
米商業不動産、中国勢が2兆円超の売り越し
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