医師11人が教える「腰痛・膝痛・肩痛」治療法#8Illustration by Masahiro Takase

膝痛の原因となる「変形性膝関節症」では人工関節置換術の手術が一般的。この手術にロボットシステムを導入した術式が登場した。ロボットが医師の“失敗”をも制御、患者の負担も軽くなると医師も太鼓判を押す。特集『医師11人が教える「腰痛・膝痛・肩痛」治療法』(全9回)の#8では、2019年に整形外科で初めて導入された注目のロボット手術を紹介する。(ダイヤモンド編集部 山出暁子)

「週刊ダイヤモンド」2019年11月16日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの

痛みを取る効果が大きい「人口関節置換術」
ロボット手術で初の保険適用に

 膝痛は特に加齢によることが多い。中でも膝の軟骨がすり減って関節が炎症を起こしたり、軟骨がなくなってしまうことで骨と骨がこすれて痛みが出る「変形性膝関節症」は50代くらいからよく見られる疾患だ。ほかには関節リウマチや外傷性関節炎などがある。

 こうした膝痛の場合、痛みがひどく生活に支障を来すようになると、関節の傷んだ部分を取り除き、人工の関節に置き換える「人工関節置換術」が一つの選択肢になる。人工関節にすることで、骨と骨がぶつかってこすれるといった痛みの原因そのものが全て取り除かれるため、薬物療法や運動療法など他の治療法と比べると「痛みを取る」効果は大きい。