変動金利型ローンを選んでよい場合は?

 変動金利型ローンの適用金利は、現在、多くの金融機関で0.875%(保証料が必要な金融機関では、0.2%を加えた1.075%)となっており、一部では、0.775%というところもあります。

 適用金利が0.875%の場合でいうと、一年定期預金の金利(0.025%程度)とのスプレッド(=金利差)は、「0.85%」にまで低下しています。金利水準自体も低いのですが、ここまでスプレッドが少ない時代はもちろん初めてです。

  金利という面に限定して(※ライフプランという考え方は、ここではあえて考慮しません)、住宅ローンを早く返さなければならない理由を考えると、それは自分が運用できる金利と比べてローン金利が常に負けてきたからでしょう。
  そのため、「借金を返す(=繰り上げ返済)」という運用を行ったほうが、はるかに効率がよかったのです。
  しかし、1%を切っている現在のスプレッドが続くのであれば、まったくかなわない相手ではないかもしれません。

  将来的に、変動金利型ローンのベースとなる「短期金利」が上がるとすれば、基本的には物価(および預金金利)が上がっているか、景気がよくなっているか、あるいはこの2つが同時に起こっているかでしょう。
  前者であれば住宅ローンという借金の負担も目減りしています。また、後者であれば、収入増によってローン返済の負担が相殺されることも期待できます。

 このように考えた場合、現在の変動金利型の優遇金利の水準というのは、長期的に見ても、悪くないどころか、ものすごいチャンスかもしれません。

  ただし、実際に変動金利型ローンを選んでよいかどうかは、適用金利や返済期間などによっても変わってきます。
  具体的なポイントは、著書『いますぐに、住宅ローンを借り換えしなさい!』で、ご確認いただければ幸いです。