「文章が苦手なので……」と悠長なことを言っていられる状況ではない。現代は、メール1本、プレゼン1発で、仕事の受注や重要事項が決まる。文章の書きかた1つで、会社員としての運命が変わってしまうのだ。もはや、すべてのビジネスパーソンにとって『伝える!震わす!書く力。』は、必須のスキルといえよう。特集では「書く力」の本質と神髄を伝える。(ダイヤモンド編集部 長谷川幸光、篭島裕亮、山本 輝)
書く力で会社員としての
運命が変わる
これまで、上司や取引先から、「君の書いたもの、分かりづらいなあ」「もう少し分かりやすく書いてもらえませんか」と言われたことはないだろうか。直接言われたことがなくても、気が付かないうちに、あなたの文章が相手を不快にしたり、面倒をかけたりしているかもしれない。
「あなたの文章は読みやすいですか?」
こう聞かれて「はい」と自信を持って返事できる人はそう多くないはずだ。
そもそも、ビジネスで文章を書く目的とは何だろうか──。それは、「業務を効率的に進めるため」である。そして、ビジネス上の文章の最大の特徴は、必ず「読む相手がいる」ことだ。
書いた文章が分かりやすければ、相手はすぐに理解し、次のアクションへと移ることができる。逆に分かりづらければ、相手は理解できずに意図を無駄に考え込んだり、分からない点をあらためて質問したりと、混乱を招いてしまう。業務も滞るし、相手からの印象を悪くする。さらに、互いの認識にズレが生じたまま仕事が進むと、生産性が落ち、部署や会社の業績にも打撃を与えることになる。
しかも現代は、メール一本、プレゼンテーション一発で、仕事の受注や重要事項が決まる。「文章が苦手なので……」と悠長なことを言っていられる状況ではない。文章の書きかた一つで、会社員としての運命が変わってしまうのだ。もはや、すべてのビジネスパーソンにとって「文章で分かりやすく正確に伝える力」「文章で相手を動かす力」、すなわち「書く力」は、必須のスキルといえよう。
ところが、学校で教えるのはせいぜい読書感想文や論文の書きかたくらいで、仕事で必要な「書く力」は、誰も丁寧には教えてくれない。それなのに社会に出るといきなり、メール、会議用のアジェンダ、議事録、プレゼン用のスライド、業務報告書、始末書、SNSやチャット、情報共有、部下やアルバイトへの指示書など、さまざまな場面で「書く力」が求められる。しかも各媒体ごとに、求められる特性はかなり異なる。
だが恐れることはない。「書く力」の本質と神髄さえ理解すれば、どのようなケースにも対応できる。
本特集は2月25日(火)から3月1日(日)まで全12回で、「書く力」の本質と神髄をお伝えする。
#01 2月25日(火)配信
誰も教えてくれないビジネス文章の書き方、3原則は「構造・相手・語感」
実は、学校では誰も教えてくれないが、「書く力」を磨くための原則がある。この原則さえ押さえれば、あなたの「書く力」を飛躍的に伸ばすことができる。
#02 2月25日(火)配信
ビジネス文章の命は「構造」、書く前にひたすら考えるべき5つのポイント
「結論から書く」以上に大切なこと。それは「構造を考える」ことだ。ビジネス文章の命といっても過言ではない。そしてそこには必ず「論理」が求められる。特集第2回は、ビジネス文章の3原則の一つ、「構造を意識する」について解説する。
#03 2月26日(水)配信
ビジネス文章で結果を出すカギは「読む相手への配慮」だ
書き手と読み手との間には、感情の交錯が必ず付きまとう。そのため読み手への配慮が、ビジネス文章における成功のカギとなる。特集第3回は、ビジネス文章の3原則の一つ、「相手を意識する」について解説する。
#04 2月26日(水)配信
ビジネス文章に「心地よいリズム」を生み出す3つのポイント
心が惹かれる文章にはリズムがある。リズミカルに文章を組み立てるには、「語感」を意識しよう。特集第4回は、ビジネス文章の3原則の一つ、「語感を意識する」について解説する。
#05 2月27日(木)配信
ビジネスメールでイラッとされないための「10の鉄則」
仕事で使用する主なコミュニケーション手段の1位はメールだ。ただしメールも万能ではない。相手をイラッとさせずに、情報を過不足なく伝える──。特集第5回は、社会人の必須スキル「メールの書きかた」を伝授する。
#06 2月27日(木)配信
仕事で使うチャットツール「Slack」、ルールとマナーを押さえよう
「お疲れさまです」から始まる紋切り型のビジネスメールが、社内から消えてなくなるかもしれない。メールに代わっていま浸透しつつあるのが、Slack等のビジネスチャットだ。特集第6回は、新たなツールの活用法を紹介する。
#07 2月28日(金)配信
トヨタ、サントリーも炎上!治部れんげ氏が説くジェンダー「新教養」
情報を伝えるときに大事なのは、文章の巧緻だけではない。現代の社会人には、ジェンダーに関する知識が必須になっている。ジェンダー問題に詳しいジャーナリストの治部れんげ氏に、情報発信時の「ジェンダー炎上」について聞いた。
#08 2月28日(金)配信
プレゼン資料で心を揺さぶる!社内向け・社外向けそれぞれの極意
企画会議に営業、説明会、講演会……。ビジネスパーソンにとって避けて通れないプレゼンの数々。プレゼンに関するベストセラー本を幾つも書いている「資料づくりの達人」前田鎌利氏に、社内&社外プレゼンの極意を聞いた。
#09 2月29日(土)配信
1分で心をつかむ履歴書&職歴書、転職エージェントが指南する鉄板法則
今はまさに大転職時代。転職時に最初の関門となるのが「書類選考」だ。いかに輝かしい実績を持っていようと、その魅力が相手に伝わらなければ意味がない。特集第9回は、転職支援のプロフェッショナルが、履歴書と職務経歴書の鉄板法則を伝授する。
#10 2月29日(土)配信
エンジニアが書く文章はここがダメ!「伝わる」ための9つの注意点
「技術が分かるだけのエンジニアはもう求められない。必ずコミュニケーション力が必要だ」──。もちろん、文章を書いて人に伝えることもコミュニケーションだ。特集第10回は、エンジニアやプログラマーがつまずきがちな文章のポイントを記した。
#11 3月1日(日)配信
語彙力を豊かにして「書く力」をアップ!ことばの知識大全
「書く力」には語彙力は欠かせない。語彙が豊富であるほど、文章は読みやすく、そして魅力的なものとなる。特集第11回は、慣用句や接続詞のバリエーションなど、あなたの語彙を豊かにする「ことばのデータ集」である。必ず役立つはずだ。
#12 3月1日(日)配信
糸井重里氏インタビュー「“ことば”は見えない質問への“答え”なんです」
数々の名作キャッチコピーを世に生み出してきた糸井重里氏。つねに「ことば」や「文章」と向き合ってきた糸井氏に、「書くことを楽しむコツ」や「コミュニケーション上の齟齬やギャップ」について語ってもらった。
Key Visual by Noriyo Shinoda