このところの円相場の急落は、不確実性や緊張の高まる局面と円高を結びつける投資家を戸惑わせている。こうした相場動向を説明するには、ヘッジコストの低下と日本の巨大な機関投資家の存在が背景と見ると分かりやすい。機関投資家は低金利の日本を抜け出すために、ますます多くの資産を海外に移している。ドルは20日までの2営業日で約1.9%上昇して112円に迫り、2年半ぶりの急騰を演じた。ラボバンクをはじめ諸機関のアナリストらは、新型コロナウイルスの感染拡大で日本経済がさらなる混乱に陥るリスクがあるために、安全通貨としての円の役割が低下しているのではないかといぶかった。21日発表された2月上旬の製造業部門調査は、7年ぶりの大幅な活動縮小を示した。
円急落は「クジラ」の水しぶきか
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