年金生活に入って、月5万円必要になるからといって、2000万円もの大金の運用を停止、解約する必要はないのである。単純計算だが、2000万円の運用を年3%で行うと、年間60万円のリターンが生まれる。60万円というのは、月5万円使って12カ月かかる計算だ。

 とすると、元本2000万円を3%のリターンで運用するだけで、元本を1円も取り崩すことなく、永久に年間60万円、月当たり5万円を使い続けることができるではないか。

 そう、運用を継続すればよいのである。年3%の運用なら選択が多数ある。

 ここからは、こうした計算を掘り下げたい。毎月5万4520円の不足を、どう捻出できるのか、という問題を、現実的な仮定の中でシナリオ別にどう達成できるのか、試算をする。

 この目的は、資産運用のシナリオ別に、あなたの年齢別に、もっとも適切な資産運用のシナリオを発見することにある。

 試算の前提を設けよう。

 こうした試算では、まず何歳まで生きるのかを想定する。

 平均寿命は、男性81歳、女性87歳だが、現在の平均寿命なのであって、若い人が81歳になるときの平均寿命は確実に延びる。

「いま60歳の人のうち、1/4が95歳まで生きるという試算」(報告書)もあるわけだし、人生100年時代でもある。

 健康寿命がどんどん延びている今、65歳の人が、平均的に95歳まで30年間で2000万円を少しずつ使い95歳時にゼロまで使い切る計算は不安がある。そこからさらに10年、20年生きることだって十分に考えられるからだ。

 だから、試算では、現役世代に金融資産を形成後、老後も同じリターンで運用継続し、元本を減らさずに月5万4520円を賄うことにした。具体的にはこう計算した。

(1) 今の年齢から、65歳になるまで、毎月、定期的に積み立てる資産運用を行う。
(2) 今の年齢は、35歳から5歳刻みとした。あなたに最も近い年齢が参考になる。
(3) 資産運用には運用シナリオとして年3%、5%、7%のリターンを設定。
(4) 65歳になっても運用を継続し月5万4520円を生み続ける65歳時点での金融資産とその資産を作るための月の積立金額を発見する。
(5) その発見した1カ月の積立金額を、今から毎月行うのが、平均的には解となる。

 なお、運用中のリターンからの課税はないこととする。また、5万4520円の金額は所与としておく。