米国の医療制度は、高齢者の間に広がる孤独感や社会的孤立という公衆衛生上の深刻なリスクに十分に対応できていない。米科学工学医学アカデミー(NASEM)が最新の報告書で指摘した。NASEMは27日、65歳以上の米国人の4分の1近くが社会的な関わりもしくは接触をほとんど持っていないと指摘。40年にわたる調査によって、社会的孤立があらゆる原因による早期死亡のリスクを大幅に高めることにつながる確固たる証拠を得たと結論付けた。デューク大学名誉教授(精神医学)で、今回の報告書を作成した委員会の委員長を務めるダン・ブレイザー氏は、「これはわが国で見過ごされがちな重大な問題だ」と指摘。また、こうした状況に対応する上で「何が有効で、何がそうでないかを示すエビデンスはない」と述べた。