元コーセー取締役で、なんと85歳のいまも現役の美容研究家・メイクアップアーティストとして働き続けている小林照子氏のライフワークは「印象分析」。長年にわたって美容業界の第一線を走り続けてきた小林氏の元には、政財界、法曹界、芸能界の人間のみならず、数多くの企業経営者、ビジネスパーソンが“イメージづくり”の相談に訪れる。小林氏によると、男の顔には「出世の早い顔」と「出世の遅い顔」があるという。その差はどこで生まれるのか?自分の顔を「出世顔」に変える極意はあるのか?いままでVIPにしか明かされなかったメソッドを公開する。(聞き手・構成/赤根千鶴子)
「油田顔」の男性が
出世できない理由
60年以上美容の世界で生きてきた私が最近つくづく思うのは、芸能界に「売れる顔」と「売れない顔」があるように、ビジネスの世界にも「出世顔」と「出世が遅い顔」がはっきりあるということです。出世が早い男性というものは、出世とともに顔がよりシャープになり、余分なアブラが顔からどんどん抜けていきます。そしてアブラは抜けるけれど、うるおい(水分)はたっぷりある「オアシス顔」になってくる。そうすると、出世していく速度もますます速くなっていきます。
うるおいに満ちたみずみずしい肌。そしてオッサンという文字を連想させない血色のよさ。豊かな表情。この3つを併せ持つ男性こそが「出世顔」。これは結局、“自分は、はたから見たらどんなふうに見える人間なのか”ということに対して客観的な分析をしている人だけが手に入れられる顔なのです。
自分をよく観察し、敵をつくらず、より多くの人に好感を持ってもらえる自分を演出できる。そういうことができる人というのは、会社の中でも自分の見られ方や、立場や、他人の動きを客観的に捉えて行動していく技術が磨かれていきます。ゆえに、その相乗効果でどんどん出世していくのです。
その点、出世が遅い人というのは、どこか「油田顔」なのです。顔がいつもテカテカの人ってどこか憎めませんよね。話しかけやすそうで、人がよさそうに見える。こういう人の周りには、一緒に騒ぐ「飲み仲間」は集まりやすいんです。でも“人がよさそう”に見えるということは、リーダーにはなりにくいということ。時と場合によっては相手に不潔な印象を与えてしまう“テカテカ”を放置しているズボラさは、その人の“心のスキ”に見えてしまうこともあります。ささいなことかもしれませんが、見た目はやはり大事なのです。
そこで私はいままで「上を目指す男性」には、皮脂をコントロールし、血色をよくするフェイシャルマッサージをお教えしてきました。教え子である男性たちは皆、人生を1ステップどころか、2ステップも3ステップも見事に駆け上っていかれましたから、ぜひ多くの方々に実践していただきたいと思います。今回は1~2分ほどでできる簡単バージョンをご紹介します。顔の毛穴汚れを取り去る洗顔時などにやってみてください。