花粉皮膚炎かどうかは
発症時期で見分けられる

 花粉に対してアレルギー反応があるかないかにかかわらず、症状が出てしまう花粉皮膚炎。では、どのような症状が出たら「花粉皮膚炎」と診断できるのだろうか。

「症状での判別は難しいですね。なぜなら、乾燥やかぶれが原因で起きる皮膚炎と、起きる症状自体は変わらないからです。そのため、発症した時期がいつか、というのが見分けるポイントです。たとえば、肌が乾燥しやすい11月頃から症状を感じていれば乾燥が原因の可能性が高いですし、花粉が飛び始める2月頃から症状を感じていれば、花粉が原因の可能性が高いといえます。また、顔や首といった外部に露出した部位を中心に症状が出ていると花粉皮膚炎の可能性が高くなります」

 とはいえ、なにより確実で安心なのは、専門医による診断だ。野田医師は、「気になったらひとまず皮膚科を受診するといいでしょう」と語る。

「というのも、花粉皮膚炎は症状が軽度のうちに治療すれば、薬の副作用もほぼなく、短期間で改善するからです。花粉が原因の皮膚炎の場合は、治療にステロイド外用薬を使用します。『ステロイド』と聞くと危険なイメージがあるかもしれませんが、初期の花粉皮膚炎の場合、使用するのは弱めのステロイドですし、1週間前後使えば症状が改善します」

 顔の皮膚は薄く、それが荒れやすさにも関係しているのだが、これは、薬の有効成分が浸透しやすいということでもある。弱めのステロイドを1週間程度使用するだけなら、副作用の心配もなく安心して使えるのだ。

 放置すれば、より強いステロイドを長期間塗布することになる。医師が処方するので当然、安全性は問題ないが、より弱いステロイドで、かつ短期間で治療が終わるならば、早めに皮膚科にかかるに越したことはないだろう。

「花粉皮膚炎は、最初は目の周りや頬を中心とした軽い赤み、かゆみ、ヒリヒリ感が主な症状です。しかし、かゆいからと肌をかいたり、こすったりすることで症状が悪化し、ひどい場合には慢性化して、年中かゆみや赤みに苦しめられることもあります。治療を先延ばしにしても、百害あって一理なしです」

 もうひとつ、野田医師が早期の受診をすすめる理由がある。

「花粉皮膚炎とよく似た、顔に赤みが出てしまう『酒さ(しゅさ)』という皮膚疾患があります。酒さは、日光やストレス、寒暖差や化粧品などがきっかけで赤みが出てしまうのですが、花粉シーズンだからと『きっと花粉皮膚炎だろう』なんて自己診断してしまうと最悪です。酒さにステロイドを使用すると、短期的には改善しても、長期的には症状が悪化してしまうからです」

 今や中程度の強さのステロイドであれば、市販でも手に入る時代だ。素人判断で「酒さ」を「花粉皮膚炎」と誤診し、市販のステロイド薬を塗布するという危険行為に及ばないためにも、きちんと医師の診断を受けるべきだろう。