10年間運用すると、過去のリターンはほとんどプラス
GPIFデータと同じコンセプトで、運用コストも考慮した独自調査が下の図表です。
上図は同じ4つのカテゴリーに投資をするのですが、期間を10年間に伸ばして保有します。平均では169万円、一番成績が良かった10年は265万円、最も成績が悪かった10年間では98万円になりました。
運用を10年間という長期保有にした場合では、最も成績が悪かった1回だけ、100万円の元本を割り込みましたが、過去の40回の中で39回は元本よりもプラスになったということです。
運用の良かった年と悪かった年はそれぞれありましたが、投資期間を延ばしていくと、投資期間全体ではプラスの収益が積み上がることがほとんどでした。
なお、GPIFの分散カテゴリーと比率(資産構成割合)を見直し中で、2020年3月に公表される見込みです。大胆に「外国債券の残高が増える」と予想します(私見)。
2019年10月公表文書に興味深い内容があるのです。
それは「マイナス利回りとなる国内債券が増加」したため「為替ヘッジ付き外国債券を、実質的に国内債券の代替として投資を行って」おり、「乖離許容幅管理における為替ヘッジ付き外国債券の取り扱いを見直」し既に「年度計画の変更を」議決し、10月1日には「厚生労働大臣に届出」した事実があるからです。外国債券の残高が増えると推察されるのです。
*1 GPIF Government Pension Investment Fund、年金積立金管理運用独立行政法人のこと。年金積立金の管理及び運用を行っている。全額政府出資で2006年4月設立。
*2 GPIFホームページ、2019年11月8日アクセス。データはイボットソン・アソシエイツ・ジャパンによるもの。手数料や税金は考慮していないため、実際のリターンはこれを下回る。図表3−18上図はGPIFのホームページとは異なる、コストを考慮した独自資料。出所はイボットソン・アソシエイツ・ジャパン。
*3 投資に絶対ということはないため、過去のデータの結果から、将来もほとんどが元本を割り込むことがないと断言するものではない。