各地の「ひきこもり家族会」も、新型コロナ騒動の影響でイベント中止に追い込まれるなど、関係者の繋がりが希薄化している(写真はイメージです) Photo:PIXTA

新型コロナに翻弄される
「ひきこもり家族会」の現状

 当連載で前回紹介した「新型コロナウイルス騒動が、引きこもる人たちなど弱者の生活にもシワ寄せをもたらしている」という内容の記事に対して、数多くの反響をいただいた。

 特に引きこもり状態にある当事者の方々から、「さまざまな居場所や家族会、イベントなどが中止になって、外に出る理由がなくなった」などの声がいくつも寄せられていて、深刻に感じる。一概には言えないものの、引きこもりを終えかけた人たちにとって、自宅以外の安心できる場や自分の思いを受け止めてくれる相手との出会いを求めて動き出すきっかけになるのが、こうした居場所や家族会、イベントであることが少なくないからだ。

 ちなみに筆者自身も、政府が自粛要請を行った2月末以降、講演会やシンポジウムなどのイベント10カ所以上がキャンセルや延期になり、大きな収入減となって、これまでのように当事者家族からの無償相談に乗ることも難しくなっている。

 では、このようなコロナの影響もある中で、各地の「ひきこもり家族会」は今、どのような状況になっているのか。

「ひきこもり家族会」の多くは、財源を家族会員の会費などで賄い、定例会や居場所などの会場を公共施設から借りていることが多い。そのため、自治体から自粛要請によって「建物を使えない」などと会場使用を断られれば、やはりイベントを中止せざるを得ない状況の会が多いようだ。

「たとえ会場を使えたとしても、高齢の家族が途中の公共交通機関を使わざるを得ないことや、部屋の狭さなどの感染リスクを考えると、できない状態です」(ある家族会の代表)

 4月までの定例会をすべて中止することに決めたという別の家族会は、2月の例会のときにほぼ全員がマスク着用で参加していて、「時期的にお互いに感染しないよう、身を守ることが大切」と考えたという。

 ちょうど新聞で家族会の活動が紹介されていたため、新たに参加を希望する家族の問い合わせが増えてきたものの、せっかく相談につながったタイミングで、集まれる機会がないことを残念がる声もあった。