働き手からすれば、働き方改革関連法の施行は、格好のチャンスだといえる。「激務に耐えることこそ美徳だ」とされた時代は過ぎ去り、働き手も当然の権利を主張するようになっている。そこで、特集「人事大激変!あなたの評価・給料が危ない」(全12回)の第10回では、『社長は労働法をこう使え!』の著者である向井蘭弁護士に、働き手が攻めるべき“会社が突かれたくない急所”について教えてもらった。(監修/杜若経営法律事務所・向井蘭弁護士)
焦点は労働時間のカウント方法
働き手は「労働法をこう使え!」
働き方改革関連法の施行によって焦点になりそうなのが、労働時間のカウントの仕方である。今回の法改正により、労働時間の上限規制が厳格化された。会社は違法行為を犯さないよう目を光らせる一方で、残業代の総額を減らそうとしているはずだ。そこが、働き手にとっては攻めどころである。
というのも、働き手の労働時間には、ビジネスとプライベート間の“グレーゾーン”の時間が多く含まれているからだ。例えば、顧客との会食や社内の飲み会に参加した時間は、労働時間として見なされる場合がある。
2020年4月からは、働き手が同一労働同一賃金を実現していない企業を堂々と訴えられるようにもなる。ためらいがなければ(!)、同僚と給与明細を比べてみることをオススメする。雇用形態によらず、手当や福利厚生で“不合理な差”がある場合は要注意だ。
では次からは、会社が働き手に言われたら「うっ!」となる、「急所」6項目を伝授しよう。