ダイヤモンド編集部が実施した「担い手農家アンケート」の回答者1600人が選ぶ「カリスマ農家ランキング」でトップに立ったのが、群馬県の澤浦彰治氏だ。特集『儲かる農業 攻める企業』(全17回)の#5では、澤浦氏が想定する農家の「大淘汰時代」への備え方をお届けする。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)
カリスマ農家No.1のシビアな見方
農家大淘汰時代がやって来る
群馬県でグリンリーフや野菜くらぶを経営する澤浦彰治氏は、日本農業の法人経営の先駆者として注目されてきた。他の農家に先駆け、農業の6次産業化(農産物をこんにゃくや漬物に加工)を実践し、売上高40億円の農業法人を育て上げた人物である。
ダイヤモンド編集部が行った「担い手農家アンケート」で、農家に「理想的と思える農家」を聞いたところ、澤浦氏は2位に大差をつけてトップに輝いた。
澤浦氏は近年、法人化して稼ぐ有力農家が増えていること自体は歓迎している。だが、決して農業法人の未来を楽観視しているわけではない。野菜の価格低迷などで、農家が激減すると予想しているのだ。
農家の大淘汰時代に備えて、澤浦氏はどのような経営改革を行っているのか。「週刊ダイヤモンド」2020年3月21日号の「儲かる農業 消えるJA」特集には収録し切れなかった内容も含めて、澤浦氏へのインタビューの拡大版をお届けする。