コロナ対策に「1世紀前の教訓」、後の経済回復を早める外出自粛
英ロンドン在住の筆者の知人が送ってきた、英大手スーパー「テスコ」に並ぶ人々の写真。社会的距離を強く意識していることがうかがえる

「感染抑制を最優先すべきか? 経済を回すことにもっと注力すべきか?」。これは新型コロナウイルス対策を議論する際に為政者が常に直面する問題である。

 このジレンマを考える上で、米連邦準備制度理事会(FRB)と米ニューヨーク連邦準備銀行、米マサチューセッツ工科大学のエコノミストが最近発表した論文は示唆に富んでいるといえるだろう。題名は「パンデミックは経済を落ち込ませた、公衆衛生介入はそうではない:1918年風邪から得られた証拠」だ。

 まず興味深いのは、スペイン風邪流行のピーク時だった18年秋の米国の新聞記事が多数引用されている点である。まるで今朝の新聞を見ているかのような類似性を発見することができる。「市長は土曜日の正午に、全ての教会、学校、劇場等の閉鎖を命じた。同午後2時に警官らは街中の劇場、映画館に向かい、営業をやめるよう通告した」(「シアトル・スター」10月5日)。「五つの劇場が今晩から閉鎖される。来週から合計1ダース以上の劇場がそうなるだろう」(「ニューヨーク・タイムズ」10月12日)。「インフルエンザの感染拡大は今月の小売り販売を深刻に減少させた。小売業団体の幹部は、病気で買い物客が減少しているだけでなく、多くの街で衛生当局が店舗を閉鎖させていると述べた」(「ウォール・ストリート・ジャーナル」10月25日)。「市の衛生委員会幹部は、感染のピークは過ぎたが、しばらくの間大きな警戒が必要であり、規制の解除はまだ行わない、と水曜日に述べた」(「シアトル・スター」10月23日)。