ソフトバンク#6Photo:NurPhoto/gettyimages

ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長が、創業以来最大の赤字を明らかにして以降、初めて公の場に姿を現した。未曽有のコロナ禍の中、5月18日のオンライン会見で語ったカリスマの言葉とは。特集『ソフトバンク巨額赤字の惨禍』(全6回)の最終回で、詳報する。(ダイヤモンド編集部 村井令二)

「15社倒産」の大胆予測を
披露した孫社長の胸の内

突然やって来たコロナの谷にユニコーンがどんどん落馬している」――。

 ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は危機感を隠さなかった。

 自ら主導してきた10兆円規模のソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資先企業が、新型コロナウイルスの感染拡大で苦境に陥っている。孫氏はそれを、一角獣(ユニコーン=企業価値10億ドル以上の未公開企業)が谷底に次々と転がり落ちていく様子に例えて訴えたのだ。

 ビジョン・ファンドのこれまでの投資先企業は88社。すでに2019年9月末で新規の投資を終了しており、この88社の行方が孫氏の投資の成否を決定づけることになる。

 孫氏は、コロナショックが直撃したユニコーンの経営について「ただでさえ赤字で顧客を増やしている中で、売り上げが急減して、資金繰りも大変厳しい」と指摘。その上で「15社くらいは倒産するのではないか」と大胆な予測を披露した。

 ここで明らかになったのは、ビジョン・ファンドの投資先であるユニコーンたちの厳しい生き残り競争だ。