コロナ禍で保険業界は大激変、「保険代理店」の求められる役割とは

東日本大震災と新型コロナ
「防災」における四つの意味

 東日本大震災の時、「津波てんでんこ」という東北の三陸地方に伝わる言葉をよく耳にした。「津波の際には、てんでんばらばらに逃げなさい」という意味だ。とてもシンプルな表現だが、「防災テック」というサイトに次の四つの意味が記してある。

 一つ目は、自助の重要性についてだ。災害対応の基本は、自助、共助、公助の三つだが、自分の命は自分で守るという自助がまずは重要である。二つ目は、他人の避難行動の促進だ。一人の行動が、他の人の避難行動を促進するという効果をもたらすことになるからだ。

 三つ目は、信頼関係の構築だ。事前に緊急時の対応を確認することで、互いの避難行動が遅れることを防ぐことができる。四つ目は、自責感の低減だ。生存者が「なぜ自分だけ生き残ってしまったのか」という自責の念から少しでも救われることになる。

 今、世界中が新型コロナウイルスの真っただ中にいる。外に出たとき、近づく人の誰もが「コロナ感染者かもしれない」と疑ってかからなければならないという孤独で、悲しい状態にある。しかし今は、コロナと闘うために、一人一人がてんでんばらばらに接触を避け続けることが大切な局面である。心の中で「ごめんね」とつぶやきながらーー。

コロナ禍で保険業界は大激変、「保険代理店」の求められる役割とはPhoto:Tomohiro Ohsumi/gettyimages