欧州中央銀行(ECB)は4日、債券購入プログラムの規模を大幅に拡大し、1兆3500億ユーロ(約165兆円)にすると表明した。財務状況の悪化している域内の政府支援が狙い。新型コロナウイルスの影響で低迷する経済のてこ入れに向けた緊急対策で米連邦準備制度理事会(FRB)と足並みをそろえた。ECBの決定は大方のアナリスト予想より積極的な内容だ。ユーロ圏諸国は新型コロナ対策に充てる資金を調達するため年内に追加で1兆ユーロ以上の債券を発行する見込みだが、その消化に寄与しそうだ。ECBはこの日の発表文で、2021年6月まで1兆3500億ユーロを上限にユーロ圏の国債と社債を買い上げることを明らかにした。既存の7500億ユーロの債券購入プログラムを拡充した格好だ。