世界の飲料大手による持続可能性を目指す取り組みの中核をなしているのは、環境により配慮したプラスチック製ボトルの利用推進だ。だが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響で、この取り組みは一段と困難かつ費用のかさむものになっている。使い捨てプラスチックが環境に及ぼす影響を消費者や議員らは懸念しており、これを鎮めるためスイスのネスレや仏ダノン、米コカ・コーラ、米ペプシコはそろって、ミネラルウオーターや炭酸飲料、ジュースのボトルに使用する再生プラスチックを大幅に増やす野心的目標を立てていた。だが今春、目標期日が到来しても未達となるケースが相次いだ。新型コロナの影響で一部のリサイクル事業が停止となり、飲料用ボトルの原料となる使用済みPETの供給が減った。さらに原油価格の急落で新しいプラスチックが値下がりし、再生プラスチックで製造した飲料ボトルの方がはるかに高くつく状況となっている。
飲料大手の再生ペットボトル導入、コロナで暗礁に
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