コロナ禍によって、事業が立ち行かなくなる企業が増えるのは必至だ。特集『大失業時代の倒産危険度ランキング』(全29回)の#14では、監査法人が事業存続に疑念ありとする「継続企業の前提に関する注記」、その一歩手前である「継続企業の前提に関する重要事象等」を記した上場企業計78社をまとめた。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)
既に7年半ぶり水準に急増も
さらなる増加は不可避
事業を続けていけるかどうかの判断に、会計監査のプロである監査法人から「イエローカード」が突き付けられた――。コロナ不況による業績悪化のあおりで、そんな危うい財務状況に陥った企業が急激に増えている。
東京商工リサーチの集計によると、2020年3月期決算を発表した上場企業2400社弱のうち、監査法人が決算短信で事業存続性に疑念ありとする「継続企業の前提に関する注記(ゴーイングコンサーン、GC注記)」を付けた企業は6月末時点で25社となった。
GC注記には至っていないが、事業継続に重要な疑義があるとして「継続企業に関する重要事象等」の記載があった企業は53社に上り、両者の合計(78社)は1年前の58社から20社(34%)も増えた。
ここ数年はGC注記・重要事象が記載された企業数は50社台にとどまっていたが、直近では12年9月中間決算時(83件)以来、7年半ぶりの高水準まで悪化しているのだ。