上場企業全体を対象とした倒産危険度ランキングに加えて、新型コロナウイルスの感染拡大で、甚大な打撃が避けられない13業種について、それぞれ業種別のランキングを作成した。特集『大失業時代の倒産危険度ランキング』(全29回)の#15では鉄道業界を取り上げる。15社が危険水域に入った。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)
固定費負担重く収入減が利益減に直結
トップは有馬温泉を沿線に持つ会社
新型コロナウイルスの感染拡大は、鉄道会社の収入をさまざまなルートから“強奪”していった。
移動自粛、外出自粛、リモートワーク増加で運賃収入が減少しただけではない。将来の人口減少による運賃収入の減少を見越して各社が拡大してきた流通、ホテルなどの非鉄道事業も大きなダメージを受けた。外出する人が減り、観光客が消滅しては、稼ぎようがない。
鉄道会社は人件費や車両修繕費、減価償却費、賃料などの固定費負担が重く、稼ぎが落ちたからといって、これを削減するのは非常にハードルが高い。乗降客数が減ってもすぐに運行本数を減らすこともできないから、動力費削減も簡単ではない。
だから、売り上げ減少は各社の利益の減少に直結する。日銭商売だからといって楽ではないのだ。収入が激減すれば、資金繰りに支障を来す公算もある。
鉄道業界・倒産危険度ランキングトップは、神戸電鉄。2020年2月以降、コロナ禍で通勤・通学客が減少したことに加え、沿線の有馬温泉への観光客が激減したことで、20年3月期は2月初旬の業績見通しを下回った。営業利益は見通しを2億4900万円下回る、前期比10.7%減の20億8300万円だった。